オリーブオイルの「独特」の香りの原因とは?

オリーブオイルの「独特」の香りの原因とは?

オリーブオイルの「独特」の香りの原因とは?

「オリーブオイルって、なんだか独特の香りがする。」

そう感じたことはありませんか?

実は、その香りがオリーブ本来のフレッシュな香りとは限らないことがあります。

オリーブオイルの香りには、オリーブそのものが持つ「フルーティー」な香りだけでなく、収穫後のオリーブの扱いや保管状態によって生じる、さまざまな香りがあります。

その中には、オリーブオイルの品質上の「欠点」とされる香りもあります。


オリーブの実は、収穫したらすぐに搾ることが大切

オリーブは果物です。

収穫した後も、そのまま放置しておけば状態が変化していきます。

特に、オリーブを大量に積み重ねた状態で長時間保管すると、下の部分では空気が届きにくくなります。

すると、酸素が少ない環境で微生物の働きが進み、発酵による変化が起こることがあります。

IOC(国際オリーブ協会)は、収穫したオリーブが積み重ねられたり、不適切な条件で保管されたりして、嫌気性発酵が進んだ場合に「fusty/muddy sediment」という欠陥香が生じると説明しています。

つまり、

「収穫したら、できるだけ早く搾る」

これは、おいしいオリーブオイルをつくるための非常に重要なポイントなのです。


「嫌気性発酵」と「好気性発酵」

今回の図解では、この2つを比較しました。

嫌気性発酵

酸素が少ない・ない状態で進む発酵

オリーブを大量に積み重ねて長時間置いておくと、内部や下部では酸素が不足しやすくなります。

このような状態で発酵が進むと、オリーブオイルに「fusty」と呼ばれる欠陥香が生じることがあります。IOCの官能評価基準でも、これは重要なネガティブ属性として扱われています。

好気的な環境でも品質は変化する

一方で、酸素があるから大丈夫、という単純な話でもありません。

傷ついたオリーブを不適切な状態で保管すると、カビや酵母などの微生物が関係する「musty(カビ・湿気・土のような)」などの欠陥が生じることがあります。

また、酵母や酢酸菌などの働きによってエタノール、酢酸エチル、酢酸などが生じ、**winey-vinegary(ワイン様・酢様)**の欠陥につながることも知られています。

つまり、

「独特の香り」とひとことで言っても、その原因はひとつではありません。

 

 


本当においしいオリーブオイルは、どんな香り?

ここが一番大切です。

本当に良質なバージンオリーブオイルには、「フルーティー(fruitiness)」というポジティブな香りがあります。

IOCでは、フルーティーをバージンオリーブオイルの重要なポジティブ属性として評価しています。

青いオリーブなら、

  • 青い葉
  • トマト
  • 青い果実

などを思わせる香り。

熟したオリーブなら、

  • 熟した果実
  • 甘い果実

のような香りを感じることがあります。

これは「オリーブオイル独特の臭い」とは、ちょっと違います。

「植物の生命力を感じるような香り」

これが、良質なオリーブオイルの魅力のひとつです。


「オリーブオイルが苦手」だったあなたへ

もし、

「オリーブオイルは独特の臭いがして苦手」

「なんとなく生臭い」

「後味が嫌い」

「料理に使うと香りが気になる」

と思っているなら、

もしかすると、オリーブオイルそのものが苦手なのではなく、今まで飲んだ・使ったオイルの香りが苦手だったのかもしれません。

もちろん、オリーブオイルには品種による香りの違いや、苦味・辛味などもあります。

でも、良質なオイルには、植物や果実を思わせるフレッシュでフルーティーな香りがあります。

だからこそ、

「オリーブオイルは独特の臭いがするもの」

と決めつけてしまうのは、少しもったいないのです。


おいしいオリーブオイルを選ぶために

オリーブオイルの品質は、ボトルの見た目だけでは判断できません。

エキストラバージンオリーブオイルは、化学的な基準だけではなく、官能評価も重要な品質基準です。IOCも、官能評価によって欠点の有無やフルーティーさを評価する方法を定めています。

だからこそ、私がオリーブオイルを選ぶときに大切にしているのは、

「どんなオリーブを、どのように収穫し、どのように保管し、いつ搾ったのか」

という背景です。

ボトルの中に入っているのは、単なる「油」ではありません。

オリーブという果実から生まれた、植物の香りを楽しむ食品です。


まとめ

オリーブオイルの「独特の香り」には、いろいろな原因があります。

その中には、オリーブの収穫後の保管や発酵によって生じる、品質上の欠陥香もあります。

だからこそ、

新鮮なオリーブを、できるだけ早く、丁寧に搾る。

これが、フレッシュで香り豊かなオリーブオイルにつながります。

「オリーブオイルって、こんなにいい香りだったんだ。」

そんな発見をしてもらえたら、うれしいですね。

 

 

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